コアラ日記

この連載について

ごあいさつ

はじめまして。
わたしはふだん本のデザインの仕事をしています。
日記を書いてみたらとすすめられたので、書いてみますが、
たぶんあまり得ることのない日記です。
コアラの絵はヒグチユウコさんが描いてくれたわたしです。
なので、コアラ日記というタイトルにしました。
どうぞよろしくお願いいたします。

第26回

2月の日記(後半)

2024年5月31日掲載

2/16

クリハラタカシさんと佼成出版社・藤本さんとパパスカフェにて打ち合わせ…のはずが、藤本さんご体調わるく、代わりに櫻井さんがいらっしゃる。

クリハラさんの今度の絵本は主役がなんとソフトクリーム!

帯はソフトクリームのコーンに巻かれている紙みたいな感じにしよう!と盛り上がる。

夜、青山塾にて先生。対面で絵を見せていただけるととても楽しい。

しかし先生をやるとがくんと体力が奪われ、帰宅後ほとんど働けない…。

世の先生たちは本当にすごい…。

2/17

午後遅めから、チュンコ先生と100%ORANGE繭子さんご飯に参加。

繭子さんがなんとその場でオリーブの入ったフォカッチャを焼いてくれ、チュンコ先生は即興で梅ゼリーを作ってくれた。魔法使いたち。

急にチュンコ先生が、バルーン(駄菓子屋などで売っていた、ストローに透明のものをつけて膨らませるやつ)を出してきて、いつぶりかわからないくらいにやってみる。

ストローの先に丁寧に透明のものをつけ、結構な肺活量を使って膨らませ、手のひら大の割れないシャボン玉のようなものを作って悦に浸っていたら、顔の3倍くらいありそうな大きなものを軽々と作って見せるチュンコ先生。

どれだけ透明を巻きつけたのか。子供の頃からこうやっていたときいて、資質ってあるのだなと思う。

2/18

ずっと家。

友達の最愛のお母さんの悲しいおしらせ。

2/19

くどうれいんさん『コーヒーにミルクを入れるような愛』ラフ。

絵がかわいいのでもう作業すら楽しい。

布川愛子さん『なつのおそろいをつくりに』入稿。

朝、竹尾へ。水戸部功さんとの展示会場で流れる映像の撮影。

一冊3分と決め、時計を見ながらやったのに、夕方までがっつりかかる。

できた映像は3時間半ほど。全部観なくていいよ!と思いながら撮りました。

その後小学館へ。

夜、茂木さんとeleven2ndさんへ。

2/20

柚木沙弥郎さん風呂敷入稿。

型染めでグラデーションの版の作り方がわからず、職人さんにおまかせにすることにした。

午前中に『Wピース』色校戻し。

河出書房新社・坂上さん打ち合わせ。

夜、ジロチョーさんへ行き佐野洋子さん『ぺこぺこ』色校。

和気藹々とたのしい色校!

近くだったので、穂村さんちにちょっと寄り、猫にも少し会う。

2/21

税理士さんと打ち合わせ。

書類とかお金のこととか、全てのことが面倒くさいので、ほんとうに頭が下がります…。

2/22

ジムへ。

夜、吉祥寺シアターにて、マームとジプシー「equal」を観る。

わりと長くマームと、その俳優たちを観ているせいか、すこし「大きくなったねえ!」みたいな、親戚気分も混じる。舞台はとてもよくて、そしてまた藤田くんの故郷に詳しくなった。

ヒグチユウコさんに西尾維新さんの装画のイメージを送る。

2/23

茅ヶ崎へゆき、ヒグチユウコさんの絵本をもとにした「せかいいちのねこ」の舞台を観に行く。

東京公演であまりに好きになってしまい、茅ヶ崎まで出向いた(つまり2度目)。

すべて知っているのに、ぼろ泣きで見てしまう。本当に最高。

帰りの車で劇中の歌を歌いながら帰る。

2/24

チュンコ先生のたけのこ山へ掃除のお手伝いへ行く。

屈強3銃士と(心の中で)呼んでいる人々もいて、やっぱり屈強だった。

たけのこ山の掃除は、草をとったり、いらない竹を伐採して運んだり、と肉体労働なのだが、わりとすきな作業。帰りにクロヤナギへ寄って、おいしいものを買って帰る。

2/25

思い立って、伊丹ミュージアムで開催中の牡丹靖佳さん個展最終日にすべりこみ!

初めて見る担当していない絵本の原画なども素晴らしく、描き下ろしの作品ももちろん素晴らしかったけど、添えられた文章がまたよくて、じんわりじんわり何度も読む。伊丹ミュージアムは、和風?な建物で、酒蔵や大名屋敷のようなものがくっついており、観光気分を味わった。

初めて行った伊丹空港もなかなかよかった。さすがハブ空港。

2/26

コアラ日記の催促がきてヒッとなる。2月短いのだった!

(今年は一日多くてありがとうだが)

『彼女たちの戦争 嵐の中のささやきよ!』(小林エリカ著)と『埃だらけのすももを売ればよい ロシア銀の時代の女性詩人たち』(高柳聡子著)見本届く。

この二つは姉妹のような気もしていて実は帯の特色がいっしょ。

わたしのメールアドレスは大学時代に取得したもので、いまは亡きプロバイダから、統合され、統合され、いまはOCNにお世話になっている。

古いせいなのかよくわからないが、メール容量が少なく、数ヶ月おきに「もう91.4%使ってるからあぶないよ!」みたいなメールがくる。

メールが不達になっても困るので、サーバまで出向き、古いものや重いものを消して当面の容量を(70%くらいまでになるように)しのぐのだが、いま(自分では)いつも通りのことをしてみたら4.4%使用まで下がった。

下がりすぎではないか。だいじょうぶか? わからないので閉じた。

晶文社・安藤さんと『新装版 ペルーから来た私の娘』(藤本和子著)打ち合わせ。

解説がすごくよさそうで楽しみ。

夕方から美容院。今日はひとり。

2/27

筑摩書房PR誌「ちくま」のラフ。

柴崎友香さん、岸政彦さんの『大阪』文庫ラフ。

『宇野亜喜良クロニクル 新装版』そとまわりラフ。

朝竹尾へ。展示準備。

少しずつ会場ができていて、展示をするのだなあと思う。

時折すみっこで水戸部さんがPCに向かっていた。

わたしもたまにPCへ向かった。

ふと窓の外をみたら「じゅん散歩」さんたちが! 歩いていた!

携帯電話のカメラで拡大をして高田純次さんを拝観。

竹尾さんがナイスなおやつを置いてくれていて、ブルボンのアソートとばかうけのアソート。

水戸部さんと、ブルボンを好きな順に並べたら、全く違っていた。

わたしは、ルマンド・エリーゼ・チョコリエール・バームロール・ホワイトロリータ

水戸部さんは、バームロール・エリーゼ・ホワイトロリータ・チョコリエール、ルマンド。

他にも好きなお菓子の話などをしていたら、水戸部さんに「平和だなあ!」と言われた。

旺文社・須永さんたちと古瀬戸で打ち合わせ。

2/28

『宇野亜喜良クロニクル 新装版』おまけにつく封筒ラフ。

箔メーカーKURZさんへ行く。

2/29

モーニングツー北駒生さんの新連載「書くなる我ら」ロゴ作成。

『私立探検家学園4』(斉藤倫著)帯。

『ネガティブクリエイティブ』(藤井亮著)の特色を悩んで選ぶ。LINEでみんなで相談。

午後竹尾へ。ほぼほぼ会場ができている……。

夜、チュンコ先生とご飯。

最近の名久井さん

竹尾の水戸部功さんとの展示が福岡に巡回。

福岡見本帖にて、6月28日まで開催中です!

著者プロフィール
名久井直子

ブックデザイナー。1976年生まれ。武蔵野美術大学卒業後、広告代理店勤務を経て、2005年独立。ブックデザインを中心に紙まわりの仕事を手がける。第45回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。2022年BEST BOOK DESIGN FROM ALL OVER THE WORLDにてBronze Medal受賞。