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新刊刊行記念イベント「えらくならずにお金がほしい 今の会社を辞めずに生き抜くために」
トイアンナ×祖父江里奈×メン獄
2025年3月28日掲載
えらくならずにお金がほしい

えらくならずにお金がほしい

トイアンナ

大和書房

コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル

コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル

メン獄

文藝春秋

「だから私はメイクする」「初恋、ざらり」「来世ではちゃんとします」「夫の家庭を壊すまで」など、女性の心をつかんでやまない作品のドラマ化を手がけたテレビ東京のプロデューサー・祖父江里奈さんと、『コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル』(文藝春秋)が大反響を巻き起こした現役コンサルタント・メン獄さんをお迎えし、「普通にはたらいている方が、普通に幸せになる」生き方を語り合うイベントが、2025年3月20日、下北沢にある「本屋B&B」にて開催されました。

※本記事は、対談イベントを再構成したものです。

左からメン獄氏、祖父江里奈氏、トイアンナ氏

「頑張っているのに報われない」のは、どうしてか?

トイ いろいろな人の悩み相談に乗る機会が多いのですが、そのなかで特に感じているのが「普通に働いているだけだと幸せを感じられない」問題。

 労働がそもそも楽しくないものだという前提があったとしても、「まあまあ楽しいよね」となぜ思えないのか、その原因についてお話を伺っていきたいと思います。

 メン獄さんは部下を多く持っていらっしゃった経験もおありですが、自ら幸せを損ねていく働き方をしていると感じる方はいらっしゃいましたか?

メン獄 やりすぎちゃう人はいますよね。オーバーコミットしちゃって、苦しくなってしまう人。そういう人は、気づいたら徹夜しているんです。ほかのメンバーがその日中に帰っても、その人だけ翌日も同じスタイルでデスクにいる。聞くと、「皆さんがやらないんで、やっています」と答える。

祖父江 頑張りすぎてしまうという点では私の20代も同じような感じでした。いまはかなり環境改善されましたが、そのころはADがまだかなり激務だった時代でした。

 仕事を断るのが怖くて、「できません」が言えなかったんですよ。「やります」と答えていました。

トイ 「できませんけど、できますよ」というアウトプットになってしまうんですよね。

メン獄 わかります。僕も「できない」が言えませんでした。

トイ 私も元々仕事を断れないタイプで流されるがままに仕事をしてきた時期がありました。

 鬱と診断されて、半年くらい寝たきりだった時期があったのですが、そのときも音声だけで必ず会議に出ていました。音声だけなら姿が映らないから出られる。

祖父江 休んでくださいよ。

トイ でも、会議の招待が来ちゃうから(笑)。

 そういう働き方をするのは個人の自由かもしれませんが、報われはしないんですよね。

 私が経営者になって分かったのですが、メンバーがどんなに尽くしてくれても、売上や成果に影響のない部分だったら、報いようとか、報酬あげようとか思わないですよね。

メン獄 僕の場合は資料づくりがそうでした。資料をどんなに頑張ってつくろうが、顧客はそこに価値を感じていない。それを知るのに結構な時間がかかっちゃいましたね。手作りして徹夜で作ったっていうことが、いい味になるんじゃないかと思っていた時代があったんです。

 徹底的に「意味ない」って言われ続けたことによって、働き方を変えなきゃいけないんだなと思うようになりましたね。

祖父江 私も「お前のその徹夜、視聴率に1ミリも貢献してないよ」って言われたことがありますよ。

「頑張るのをやめられない」、ならどうする?

トイ そうはいっても、若手のころはスキルも経験もない。労働時間で差をつけるしかない側面がありますよね。

 そういう時代はどうやって折り合いをつけてきましたか?

メン獄 高速でレッドブルを買ってきていました(笑)。自分にできるバリューってなんだろう?って考えた結果、僕はほかの人よりもレッドブルを2倍早く買ってこられる(笑)。

 以前勤めていた会社で、部屋ごとにプリンターの規格が違う時期がありました。不便な状況なのですが、僕はどんなプリンターであっても、紙詰まりを直すのがめちゃくちゃ早かったんですよ。それで偉い人に顔や名前を覚えてもらえて、ある程度評価されていた。僕がいなくなると、紙詰まり直すやつがいなくなって困る(笑)。

祖父江 そういう人、大事ですよね。

 私はまだとにかく頑張るというマインドから変わっていない気がします。それでも、会社のために働いているって思うと、しんどいんですよ。

 そうではなくて、この仕事をすることによって、自分にどんなメリットがあるだろうという目線で働くと、意外と乗り切れます。

 断る、逃げる、場所を変えるという選択ではなく、置かれた場所で咲く方法を考えて、順応して生きてきた。

 そんなふうに、頑張ることをなかなか辞められない人は、どうしたらいいんでしょうか?

トイ 私の場合は人に投げまくっています。かつては、自分が頼まれたことを人に頼むことはルール違反だという勝手な思い込みをもっていました。でも、実は人にぶん投げていいし、投げられた方が気持ちがいいことを知りました。

メン獄 そのカードをいつ切るかのタイミングが結構大事で、毎回やっているとフリーライドと見なされてしまうリスクがあります。要は貸し借りの話なので、向こうが困っている仕事が、自分の得意なものだったら、その仕事をもらっておいて、別の機会に「これ、めちゃくちゃだるいな」っていう仕事が出てきたら、その仕事をパッとできそうな人にお願いをする。その辺は分担として意識してやるようにしていますね。

生成AI時代に必要な「断る力」

メン獄 労働環境の変化の話でいうと、生成AIのインパクトがすごすぎる。AIが登場したせいで、難しい仕事しか残らなくなってきちゃっています。

トイ 生成AIが我々に残した仕事って、人間と対峙する仕事と決断する仕事だけなんですよね。

祖父江 1番難しい仕事ですね。

トイ 「それ以外の考えることはちょっとやっておきますんで、たたき台はこっちで作っときますんで」と、生成AIがやるようになった結果、我々は本当にしんどい仕事だけをしなければならなくなる。

メン獄 仕事は奪って欲しかったけど、そこを奪って欲しかったわけじゃないですよね。

祖父江 私がADのときにやっていた、いわゆる雑用と言われてたような仕事が、まさに取って替わられると思います。リサーチの仕事はもうAIができてしまう。

メン獄 AI以後は、材料を全部並べられて、「じゃあ決めてください」の決断が30セット、みたいな働き方になる。これは脳にかなり負荷のかかる仕事ですよ。

トイ そろばんが電卓になったとき、そして電卓がExcelになったときに、同じことを感じた人々が世代を越えていたと思います。

我々はまさにExcelがAIになる日を迎えていて「こんなに仕事辛かったっけ?」って感じる日がきっと来ます。だからこそ、断ることが大切になるはずなんです。

あえて、「ちょっと今作業したいんで」という枠を作って、メリハリをつけて働くことが労働環境的にもかなり求められてきてますよね。

断ることは、ものすごく精神を使うんですけど、1回断れると、その後すぐできるようになります。なので、本のなかでは、まず1回断るためのテンプレートのメール文も掲載しました。断るのが苦手な人にはぜひ活用していただきたいです。

……このほかにも、以下のようなトピックで盛り上がりました!

1. 普通にはたらいているだけじゃ、幸せを感じられない私たち

―日々の業務でも「幸せを失う行動」を取っていませんか?

―「会社に尽くしたら、いつか報われる」という幻想

―自分でキャリアを決めないと、会社と家族に振り回されてしまう

2. キャリアを前もって考えられるほど、上昇志向でいられない

―普通の会社員って「今日のタスクに追われて、気づけば週末で」ですよね

―アットホームな社風の会社が多いわりに、会社ってパパ・ママをやってくれない

―いきなり会社から「親離れ」を迫られて焦る50代以降の社員たち

―自分のキャリアのパパとママになれるのは自分だけ、でも

 キャリアについて考えるってすでに意識が高すぎる、じゃあどうする?

3. フリーランスと会社員、結局どっちが幸せ?

―新卒フリーランスになりたい学生が増えています

―会社員を続けられる才能、フリーランスを続けられる才能

―どちらが稼げるのか? 赤裸々な選択肢

詳しくは動画でお楽しみください!↓

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