大和書房の本 試し読み

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【発表!】自宅で湿地帯ビオトープ大賞

2024年4月23日掲載

今年の1月12日から2月末にかけて募集しました「第1回 自宅で湿地帯ビオトープ大賞」について、多くの素晴らしい応募作品を寄せていただきました。厳正な審査のうえ、受賞作品が決定いたしました。

たくさんの個性的で素晴らしい湿地帯ビオトープのご応募があったため、当初よりお伝えしていた「大賞」と「大型」「コンテナ」「睡蓮鉢」の各部門賞に加えて、いくつかの特別賞を設けています。審査にあたって、この企画の元である書籍『自宅で湿地帯ビオトープ! 生物多様性を守る水辺づくり』のコンセプトである「生物多様性」と「エコトーン」が反映された湿地帯ビオトープになっているかを重要なポイントとしました。しかしいずれの湿地帯ビオトープも大変すばらしいものでした。湿地帯は年を追うごとに変化していくので、この先も引き続き自宅で楽しんで下さい!

大賞受賞者には『自宅で湿地帯ビオトープ!』著者のオイカワ丸氏、装画・導入漫画・理想のビオトープ作画の大童澄瞳氏、ブックデザインと本文イラスト担当のトガシユウスケ氏のトリプルサイン本とオリジナル缶バッジを、3賞と特別賞受賞者にはオリジナル缶バッジをお送りいたします。

※受賞者の方は、商品発送のご連絡のため、mybiotope@daiwashobo.co.jpまで、件名にX(旧Twitter)アカウント名を入れてメールをお送りいただけますと幸いです。

《大賞》ヤスコ/アイコ美術工藝社 さん

【講評】
エコトーンがきちんとつくられ、生物多様性保全につながっている湿地帯です。ヒメイトアメンボ、アマガエル、周辺のカナヘビまで含めた紹介がわかりやすく、規模的に現実感があり、『自宅で湿地帯ビオトープ!』をきっかけに開始したことなどを踏まえ、大賞にふさわしいと意見が一致しました。

オイカワ丸(『自宅で湿地帯ビオトープ!』著者):エコトーンを含む景観が最高。生物多様性保全にもつながっている。
ゆう太(「#俺のビオトープ」提唱者):シンプルに「こんなビオトープが欲しい」と思わされました。
大童澄瞳(『自宅で湿地帯ビオトープ』装画・本文漫画作成):自然的な景観で、少し玄人的視点かも知れないがとても”美しい”と感じた。生き物も観察できていてすばらしい。
中山(大和書房 担当編集者):『自宅で湿地帯ビオトープ!』をきっかけに始めてくれて、生き物がたくさん来ているのが嬉しいです。

《大型部門賞》いすみガサガサ調査団 さん

【講評】
人知れず眠っている身近な生物多様性のタイムカプセルを探したくなる湿地帯です。

オイカワ丸:エコトーンが最高。地元の土から植物復活というコンセプトが良い。
ゆう太:「何かいそう」感満載で、ガサガサしたくなりました。
大童:土から植物が復活。人の手を加える過程を最低限にして芽生え訪れる動植物を観察するのはとても楽しい。
中山:近所で採取した土から自然に植物が復活したというストーリーに感動しました。

《コンテナ賞》oh山 さん

【講評】
楽しんでいる人類の様子を含めてコンテナタイプの高いポテンシャルが見える湿地帯です。

オイカワ丸:エコトーンが爆発している感じが良い。カエルも来ている。
ゆう太:エコトーンの進化が素晴らしいです。
大童:変化がみられてよい。池の周りにプランターを寄せるなど、周辺の環境を工夫している様子がみえる。狸(置き物)がいる!
中山:この本を読んで親子で楽しんでくれたら嬉しいな、という編集時の希望を体現してくれていて、感無量です。 

《睡蓮鉢賞》はっさく さん

【講評】
たらいでありながら複雑な構造、そして小さな土の可能性を感じる湿地帯です。

オイカワ丸:トラクターの土からという発想が素晴らしい。
ゆう太:トラクターの土を持ってくるという発想と、しっかり成果が出ていることがおもしろいです。
大童:「地元の土を水にひたすだけ」で面白い!標本集めのようでもあり楽しいですね。
中山:何気なく存在する土の中にこんな可能性が秘められている、ということに気づかせてくれます。

●以下、特別賞

《オイカワ丸賞》オワコマ さん

オイカワ丸:見た目も最高だけど出現した生物の一覧が丁寧で湿地帯生物への愛を感じる!

《俺のビオトープ賞》チョッコ さん

ゆう太:市街地でも楽しめるということを示してくれました。

《俺のビオトープ賞》Anne さん

ゆう太:マンションなどでも楽しめるということを示してくれました。

《俺のビオトープ賞》JUNe さん

ゆう太:コンテナ型でのエコトーンの作例として参考になると思いました。

《大童賞》T-98 さん

大童:楽しみ方がよい!使えるものを活用しているところが好きなポイント。形式にとらわれない大胆さが素晴らしい。

《大童賞》なおこ さん

大童:魅力的なあそび場!子供の考えや行動を見守っていてとても嬉しい気持ちです。そこに生き物がいなくても水たまりは楽しい。ビオトープは人間用でもある!

《大童賞》よっくす さん

大童:素朴な水たまりがとってもワクワクする。散歩中に見つけたら絶対のぞきたくなる。生き物が活用している様子もあるとのことでこれからも楽しみです。

《超越賞》うちのヤギ達【庭が動物園】 さん

オイカワ丸:エコトーン、コンセプト、景観が素晴らしい。生物も由来が明確なのが良い。
ゆう太:理想のビオトープの具現化。恐れ入りました。
大童:シートやコンテナ、睡蓮鉢といった分類を完全に超越。個人の土地と考えればかなり広いとはいえ、限られた空間に様々な環境を配置している点や技術力に脱帽。
中山:本書で描かれた「理想のビオトープ」さながらの、規模と作り込み感。ワクワクします。

《景観賞》やまだ さん

オイカワ丸:造園的な美しさが圧倒的。いれた生物に関する情報も欲しい!
ゆう太:造園技術が素晴らしく、生きものに興味のない人にも幅広く好まれそうです。
大童:文句なしに超越している。造園的にも美しい。誰もが地味な水生昆虫や水草に興味を示すわけではないが、それでも保全していく必要があるという課題がある中で、より多くの人が景観として鑑賞し楽しめる設計をしながら、生物や環境への機能も十分備えているということは「究極系」といえる。
中山:「自宅に湿地帯…?」という、なんとなく鬱蒼とした負のイメージを持つ人の考えを一瞬で払拭するような、庭園的美しさ。

《DIY賞》おいも屋 さん

オイカワ丸:コンテナ拡張システムが面白い。
ゆう太:コンテナ型の拡張方法の一つのお手本。やってみたいと思いました。
大童:棚田システム!ものづくり、工夫の楽しさも感じられて、ビオトープという趣味にはまだまだ伸び代があると感じさせてくれる。
中山:コンテナに段差をつけるという自由な発想がすばらしい。

《技術賞》さくチャンネル 生物好き鉄道ファン さん

オイカワ丸:水路を再現という面白い風景。植物の由来が明確なのも良い。
ゆう太:直線を生かしたデザインが美しいです。どんなトンボが来ているか気になります。
大童:特大◎! 「トロ舟でここまでできるんだ」賞。既存のユニットを最大限独創的に活用する好例。誰もが同じ物になるわけではない。工夫して楽しめるのだ。
中山:たしかな技術を持った人がつくったことが一目でわかるかっこよさ。

《たぬき賞》鳥内まな@生物多様性 さん

オイカワ丸:エコトーンが良い。タヌキも良い。
ゆう太:コンテナからシート式に移行とのこと。小スペースをものともしない意欲が素晴らしいです。
大童:隠れ狸像がある!!移行帯も◎。小さな空間を楽しく演出する箱庭的な取り組みがとってもよい。
中山:コンテナの組み合わせもおもしろいし、そこからシート式に移行という進取の精神に惹かれます。

《実験賞》クロダタ さん

オイカワ丸:エコトーンの実験的精神が面白い。
ゆう太:エコトーンづくりに工夫が見られ、試行錯誤を楽しんでいることが伝わります。
大童:土を盛ったり石を積んだりといった水辺に限らず、周辺に木を重ねて置くなど色々な環境が用意されていてワクワク。
中山:1つのポストの中でビオトープの経過が表現されていて、貴重なレポートかと思います。

《棲みか賞》にゃごにゃ さん

オイカワ丸:大胆な木の配置と陸上部分まで拡張した配慮が面白い
ゆう太:水中や水辺だけでなく陸上にもいろいろと工夫が詰め込まれていて面白いです。
大童:多様な生き物に向けた住処が用意されているのが素晴らしい!ビオトープとは湿地だけではないのだ。面白い相互の影響が観察できたら楽しいだろうなと思う。
中山:虫類や菌類など生物の居場所が庭中につくられ、その中の1つとして湿地帯ビオトープが存在しているのがおもしろい。

《再生賞》にゃーやん さん

オイカワ丸:湿地帯を再生して復活したモリアオガエルがすごい。
ゆう太:「創出」の例が多い中、「再生」の実例として素晴らしいと思いました。
大童:モリアオの産卵、凄すぎる!環境を整えることで再生することを証明していて、特別な賞に値する!!
中山:古池を蘇らせて湿地帯ビオトープに。かつていた生き物が帰ってくるという湿地帯ビオトープ冥利に尽きるお話。

《初年度賞》てっさん さん

オイカワ丸:生物多様性、景観が良い。エコトーンがもう少しあると良いかも。
ゆう太:オヒルギやメヒルギはマングローブの一種とのことで、将来どうなるか楽しみです。
大童:園芸とコンテナビオがよくまじわっている。初年度賞!
中山:親子でやっていると聞くと評価点が上がってしまいます。カエルやトンボの往来に喜ぶお子さんの姿が目に浮かびます。