コアラ日記

この連載について

ごあいさつ

はじめまして。
わたしはふだん本のデザインの仕事をしています。
日記を書いてみたらとすすめられたので、書いてみますが、
たぶんあまり得ることのない日記です。
コアラの絵はヒグチユウコさんが描いてくれたわたしです。
なので、コアラ日記というタイトルにしました。
どうぞよろしくお願いいたします。

第10回

6月の日記(後半)

2023年9月30日掲載

6/16

夏に行われるSPBSの短歌のワークショップについて、枡野浩一さん、左右社・筒井さん、SPBSさんたちとオンラインにて打ち合わせ。

6/17

神奈川近代文学館の「武井武雄展」にまつわるトークイベントへ。

電車に乗った瞬間、財布も、いただいているチケットも、なにもかも置いてきたことに気づく。

携帯電話に入っているPASMOだけが生命線…。

幸運なことに、トークイベントは小学館ドラルームの方々と一緒に拝聴の予定だったので、着いてしまえばどうにかなるさ、と思っていたのに、展示をご覧になっているせいか、電話が通じず、なんとか受付で「先日館報に原稿を書いたものです…チケットを頂いていたのに忘れてきたのです…」と厚かましいお願いをくねくねとして入れていただく。

展示室でドラルームさんたちと合流ができ、イルフ童画館館長さんのお話を堪能し、館長さんやドラルームさんたちと中華街へ。

路地へ入るほど美味しそうに見えるものだが、4段階ほど小道に入ったせいか、とても美味しいお店だった。

おなかいっぱいになってから、財布がないのを思い出し、ハッとなった。

(ご馳走になってしまった)

よろよろとPASMOで帰宅。

6/18

校正者の牟田都子さん、モギさんと、チュンコ邸ごはん。

また不思議メンバーになったが、牟田さんはモギさんを、モギさんは牟田さんを長く(ネット上で)知っていたので、はじめましても問題なし。

舌鼓を打ち、チュンコのおこわをおもたせに帰る。

6/19

自分が関わっていない本では初めての帯文を提出。

活版印刷にまつわる翻訳絵本で、『デザインのアトリエ 活版印刷』(ギャビー・バザン著)。

とてもわかりやすいので、おすすめです。

穂村弘さん夫妻と昼ごはん。蕎麦を食べる。

ふたりは散歩にいくから、と消え、わたしはタクシーを待つことに。

通りに立っていたら、お店の人が走ってでてきて、穂村さんの奥さんの携帯電話を託される。

もうふたりは見えない。でも歩いているだろうから、方向の見当をつけ、わたしも必死に歩く。

穂村さんに電話をしまくるが出ない…。

やっとのことで電話が通じ、落ち合って電話を渡す。

わたしは次の打ち合わせに行かねばならず、かといって歩いたことにより、電車やタクシーに乗る距離でもなくなり、さらに必死に小走りで移動。

親子連れがおり、「歩く時は2年も3年もありそうなものを目印にするのよ」と教えている声が聞こえる。わたしもそれ、もっと早く知りたかった!

いつも、咲いてる花とか、自動販売機の感じ、とかそういうものを目印にして、2度目のところにもうまく辿り着けない。

講談社にて『続・窓ぎわのトットちゃん』(黒柳徹子著)打ち合わせ。

絵は、前作とおなじくいわさきちひろさんにするので、膨大なお仕事のなかから絵の選択。

6/20

ブリアナ・ギガンテさん絵本の本文ラフ。

たくさんのふしぎ「食べる」本文組ラフ。

6/21

100%ORANGEさんたちとオンラインにて打ち合わせ。

わくわくする仕事(まだ書けない)が始まり、とてもうれしい。

宇野亜喜良さんご夫妻と、チュンコ先生とキャンティにてお昼ごはん。

あの、有名なキャンティに行くのは初めて。しかも宇野さんと…!

「宇野亜喜良クロニクル」の増補版についてなどお話したり。

6/22

午前中、里山社・清田さんと『アンダイング』(アン・ボイヤー著)色校戻し。

午後、水戸部功さんと竹尾にて、来年の展示の打ち合わせ。

水戸部さんのすてきなお車の隣に停めるのはとても緊張した…。

6/23

暮しの手帖・村上さんたちと打ち合わせ。

お会いするのはとても久しぶりでうれしい。

素敵なタイトルに似合う本になるといいな。

6/24

ずっと家にいて、ぼんやりしたり、たまった家事をしたりして、気づいたら仕事をほとんどしていなかった…。

6/25

2日つづけて家にいためずらしい週末。

コンタクトレンズは今日はしなくていいや、と眼鏡で過ごしていたら、玉ねぎを切るときに号泣。

いつもコンタクトレンズが守ってくれていたのだな…とありがたみを確認。

6/26

歯医者さんへ。

少しずつ場所をずらしながらクリーニングをしている。

夕方から、ドラルームさんと一緒に、メディコムトイさんの新社屋おひろめ会へ。キョロキョロとしながら、ご挨拶などをして、その場でSF短編の色校を確認などして、自転車で帰る。

自転車が、暑い…。

6/27

『恋愛の発行と腐敗』(錦見映理子著)文庫入稿。

ヒグチユウコさんと名刺の色校を確認。

グラフィック社へゆき、津田さん(チュンコ先生)と『宇野亜喜良ポストカードブック新装版』の打ち合わせ。

ふたりでご飯をたべて帰る。

6/28

表参道で用事があったので、帰りにボリス雑貨店に寄り、来年のヒグチユウコさんの手帳の表紙色校をピックアップ。

かわいくでているような気がする。

6/29

ほぼ日曜日で、もうすぐはじまる「コンドウアキのおしごと展」の設営にコンドウアキさんがくるので、陣中見舞いにチュンコのおこわを渡そうと、グラフィック社へ寄り、チュンコ先生からおこわをゲットして、渋谷パルコへ。

ものすごくよろこんでいただく。

下のフロアの「殿カフェ」が見たいというので、なんだろうと思ったら、マツケンさんのカフェだった。すごい行列の隙間から、キラキラ輝く何かを見て満足。

夕方から、京都の美大の学生さんと会う。

インタビューとのことだったが、うっかりしていて、NODA MAP「兎、波を走る」の夜チケットを2枚買っており、相手もいなかったので、無理矢理付き合っていただく。

終わってからまたお話をして、帰宅。

わたしが学生の時の100倍はしっかりしている方でした。

6/30

河出書房新社・谷口さんと川上弘美さん訳の「伊勢物語」打ち合わせ。

早川書房へゆき、ピーターラビット色校。

小学館へ寄って、SF短編色校。

gggの横尾忠則さんの展示が最終日だったので、小学館・今本さんを誘って、ピュンと観に行く。

指定紙がわんさかあって、なのに仕上がりは展示されていないというストイックぶり。

行ってよかった。