ごあいさつ
はじめまして。
わたしはふだん本のデザインの仕事をしています。
日記を書いてみたらとすすめられたので、書いてみますが、
たぶんあまり得ることのない日記です。
コアラの絵はヒグチユウコさんが描いてくれたわたしです。
なので、コアラ日記というタイトルにしました。
どうぞよろしくお願いいたします。
6月の日記(後半)
6/16
夏に行われるSPBSの短歌のワークショップについて、枡野浩一さん、左右社・筒井さん、SPBSさんたちとオンラインにて打ち合わせ。
6/17
神奈川近代文学館の「武井武雄展」にまつわるトークイベントへ。
電車に乗った瞬間、財布も、いただいているチケットも、なにもかも置いてきたことに気づく。
携帯電話に入っているPASMOだけが生命線…。
幸運なことに、トークイベントは小学館ドラルームの方々と一緒に拝聴の予定だったので、着いてしまえばどうにかなるさ、と思っていたのに、展示をご覧になっているせいか、電話が通じず、なんとか受付で「先日館報に原稿を書いたものです…チケットを頂いていたのに忘れてきたのです…」と厚かましいお願いをくねくねとして入れていただく。
展示室でドラルームさんたちと合流ができ、イルフ童画館館長さんのお話を堪能し、館長さんやドラルームさんたちと中華街へ。
路地へ入るほど美味しそうに見えるものだが、4段階ほど小道に入ったせいか、とても美味しいお店だった。
おなかいっぱいになってから、財布がないのを思い出し、ハッとなった。
(ご馳走になってしまった)
よろよろとPASMOで帰宅。
6/18
校正者の牟田都子さん、モギさんと、チュンコ邸ごはん。
また不思議メンバーになったが、牟田さんはモギさんを、モギさんは牟田さんを長く(ネット上で)知っていたので、はじめましても問題なし。
舌鼓を打ち、チュンコのおこわをおもたせに帰る。
6/19
自分が関わっていない本では初めての帯文を提出。
活版印刷にまつわる翻訳絵本で、『デザインのアトリエ 活版印刷』(ギャビー・バザン著)。
とてもわかりやすいので、おすすめです。
穂村弘さん夫妻と昼ごはん。蕎麦を食べる。
ふたりは散歩にいくから、と消え、わたしはタクシーを待つことに。
通りに立っていたら、お店の人が走ってでてきて、穂村さんの奥さんの携帯電話を託される。
もうふたりは見えない。でも歩いているだろうから、方向の見当をつけ、わたしも必死に歩く。
穂村さんに電話をしまくるが出ない…。
やっとのことで電話が通じ、落ち合って電話を渡す。
わたしは次の打ち合わせに行かねばならず、かといって歩いたことにより、電車やタクシーに乗る距離でもなくなり、さらに必死に小走りで移動。
親子連れがおり、「歩く時は2年も3年もありそうなものを目印にするのよ」と教えている声が聞こえる。わたしもそれ、もっと早く知りたかった!
いつも、咲いてる花とか、自動販売機の感じ、とかそういうものを目印にして、2度目のところにもうまく辿り着けない。
講談社にて『続・窓ぎわのトットちゃん』(黒柳徹子著)打ち合わせ。
絵は、前作とおなじくいわさきちひろさんにするので、膨大なお仕事のなかから絵の選択。
6/20
ブリアナ・ギガンテさん絵本の本文ラフ。
たくさんのふしぎ「食べる」本文組ラフ。
6/21
100%ORANGEさんたちとオンラインにて打ち合わせ。
わくわくする仕事(まだ書けない)が始まり、とてもうれしい。
宇野亜喜良さんご夫妻と、チュンコ先生とキャンティにてお昼ごはん。
あの、有名なキャンティに行くのは初めて。しかも宇野さんと…!
「宇野亜喜良クロニクル」の増補版についてなどお話したり。
6/22
午前中、里山社・清田さんと『アンダイング』(アン・ボイヤー著)色校戻し。
午後、水戸部功さんと竹尾にて、来年の展示の打ち合わせ。
水戸部さんのすてきなお車の隣に停めるのはとても緊張した…。
6/23
暮しの手帖・村上さんたちと打ち合わせ。
お会いするのはとても久しぶりでうれしい。
素敵なタイトルに似合う本になるといいな。
6/24
ずっと家にいて、ぼんやりしたり、たまった家事をしたりして、気づいたら仕事をほとんどしていなかった…。
6/25
2日つづけて家にいためずらしい週末。
コンタクトレンズは今日はしなくていいや、と眼鏡で過ごしていたら、玉ねぎを切るときに号泣。
いつもコンタクトレンズが守ってくれていたのだな…とありがたみを確認。
6/26
歯医者さんへ。
少しずつ場所をずらしながらクリーニングをしている。
夕方から、ドラルームさんと一緒に、メディコムトイさんの新社屋おひろめ会へ。キョロキョロとしながら、ご挨拶などをして、その場でSF短編の色校を確認などして、自転車で帰る。
自転車が、暑い…。
6/27
『恋愛の発行と腐敗』(錦見映理子著)文庫入稿。
ヒグチユウコさんと名刺の色校を確認。
グラフィック社へゆき、津田さん(チュンコ先生)と『宇野亜喜良ポストカードブック新装版』の打ち合わせ。
ふたりでご飯をたべて帰る。
6/28
表参道で用事があったので、帰りにボリス雑貨店に寄り、来年のヒグチユウコさんの手帳の表紙色校をピックアップ。
かわいくでているような気がする。
6/29
ほぼ日曜日で、もうすぐはじまる「コンドウアキのおしごと展」の設営にコンドウアキさんがくるので、陣中見舞いにチュンコのおこわを渡そうと、グラフィック社へ寄り、チュンコ先生からおこわをゲットして、渋谷パルコへ。
ものすごくよろこんでいただく。
下のフロアの「殿カフェ」が見たいというので、なんだろうと思ったら、マツケンさんのカフェだった。すごい行列の隙間から、キラキラ輝く何かを見て満足。
夕方から、京都の美大の学生さんと会う。
インタビューとのことだったが、うっかりしていて、NODA MAP「兎、波を走る」の夜チケットを2枚買っており、相手もいなかったので、無理矢理付き合っていただく。
終わってからまたお話をして、帰宅。
わたしが学生の時の100倍はしっかりしている方でした。
6/30
河出書房新社・谷口さんと川上弘美さん訳の「伊勢物語」打ち合わせ。
早川書房へゆき、ピーターラビット色校。
小学館へ寄って、SF短編色校。
gggの横尾忠則さんの展示が最終日だったので、小学館・今本さんを誘って、ピュンと観に行く。
指定紙がわんさかあって、なのに仕上がりは展示されていないというストイックぶり。
行ってよかった。
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第1回2月の日記(前半)
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ブックデザイナー。1976年生まれ。武蔵野美術大学卒業後、広告代理店勤務を経て、2005年独立。ブックデザインを中心に紙まわりの仕事を手がける。第45回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。2022年BEST BOOK DESIGN FROM ALL OVER THE WORLDにてBronze Medal受賞。