コアラ日記

この連載について

ごあいさつ

はじめまして。
わたしはふだん本のデザインの仕事をしています。
日記を書いてみたらとすすめられたので、書いてみますが、
たぶんあまり得ることのない日記です。
コアラの絵はヒグチユウコさんが描いてくれたわたしです。
なので、コアラ日記というタイトルにしました。
どうぞよろしくお願いいたします。

第7回

5月の日記(前半)

2023年8月15日掲載

5/1

益子の陶器市へ。

山野辺彩さんが久しぶりに出すというので、(正当な手順で)予約したのだった。

ひとりで運転していくと、益子は意外と遠く、やっと着いた!と思ったら、陶器市を甘く見ていたことが、すぐわかる。

メインストリート長い! 駐車場が本当にない! いっぱいあるのに満車!

ぐるぐるとまわって、遠くに停める。

よろよろと、ここは道なの?という道をGoogleMapに従って山野辺さんの会場へ。

ひさしぶりの山野辺さん、会えてすごくうれしい。

お仕事もしたことがあるのですが(2014年河出書房新社刊行の村岡花子のエッセイシリーズ)、なんとなく、大学の同級生のような距離感(勝手に)。

棒のアイスをいただいて、ペロペロしながら最近好きな漫画を話したり。

器をいくつか購入して、もう一箇所、行きたいお店へ。

目的は伊藤丈浩さんのスリップウェア。

店員さんから御本人に紹介され(箒で掃除していた方とは!)、挙動不審にご挨拶をする。

帰りの運転で携帯電話の充電がなくなりそうになり、音楽もかけられず、自分で歌うことにする。

歌詞がスルスルとでてくるのは、すべて懐メロ。

大ファンだったわけでもない歌手の歌を、若さの力か、どんどん歌える。

5/2

ブロンズ新社にて、『ぼくのサビンカ』(出久根育 著)色校、その後、小学館へ。SF短編の全巻分の箔のテスト。

いる間にちょうど1巻の函の刷り上がり見本が届き、あまりのひどさに愕然となるが、もう深い夕方。

明日からは連休。対処のしようもない。歯噛みをしながら連休明けを待つことに。

5/3

角パ決行の日。

角パとは、角上魚類で魚をたくさん買って食べようパーティの略。

チュンコ先生、100%ORANGEさんと、いざ小平の角上魚類へ。

人が集まれば、お頭付きのお刺身セットだって買える!というわけで、皆が欲望のまま魚を購入。

わたしはほやを迷わず購入。

お刺身をしこたま食べ、ほやも食べ、チュンコ先生にアジフライもしてもらって、魚200%の一日。

5/4

マッサージへ行き、重い腰をあげて片付け。

5/5

風が気持ちよくて

ひたすらベランダを見ていた、ら

一日がほぼ終わっていた。

5/6

無印良品で買い物をしていたら、穂村弘さんから連絡が来て、Librairie 6で宇野亜喜良さんの展示初日で、宇野さんもいるよ、とのこと。

そのまま向かい、宇野さんにもご挨拶。

穂村さんの短歌を作品にしたものもあった。

5/7

朝見た夢。

4畳くらいの大きな机のいろんな端で、ヒグチユウコさんがいろんな絵を描いているのを見ていたら、あれ、ここ、アトリエじゃないな?と気づいて、見渡したら、『ほんやのねこ』にでてくる、ねこのおねえさんの店だった。

起きて、ふとんのなかからユウコさんにラインで伝える。

やりのこしていた衣替えなど。

真空パックに初挑戦。来冬、わたしのセーターたちはどうなっているのだろうか。

5/8

NHK山形の方と初めての打ち合わせ。

ナナロク社・村井さんと『踊れ始祖鳥』打ち合わせ。

和田ラヂヲさんからいただいたすばらしい絵をどう使うかの相談。

村井さんと打ち合わせすると、装丁そのものというより、本ぜんたいがカチッとはまっていく感じが楽しい。

2日に発覚したトラブルの件で、急遽小学館へ。

1巻の函で苦戦しているのに、きれいにでてきた2巻の色校……。

色校ではきれいだったのに、本番では良くなかったというのは、函に合紙しているOKカイゼルのロット差による地合いムラが原因ということで、地合いのムラが少ないであろう、一段階薄いものに変更を提案。

打ち合わせにひさしぶりの制作の池P(小学館・池田さん)も参加でうれしい。

5/9

昨日はすずしかったが今日はあたたかそう。

毎朝起きるとベランダに水をやり、同じくベランダにいるメダカたちに朝ごはんを出すのだが、最近植物がちょっと元気になってきた気がする。グイグイと育っている。

はじめましての太田出版・藤澤さんと打ち合わせ。

木下龍也さんと鈴木晴香さんの共著の歌集。

面白いけれど、どう見せていくか思案のしどころ。

ユウコさんのMOE不定期連載「日々の綿」入稿。

オリーブオイルがなくなって、ちょっといいスーパーへ。

ずらりと20種類くらい並んでいるが、説明を読んでいるうちによくわからなくなってくる。

青くささレベルで表示してほしい。

魚に合うとか肉に合うとか、ワインならなんとなく理解できるが、オリーブオイルで言われてもよくわからない……。

5/10

法務局へ行くも書類不備でまた行くことに。

役所的なところはどうしても面倒くさい気持ちはあるけれど、中学に入学する時に、手続きのために住民票を取りにいくなど、母にひとりで行かされていたので、まあ、こわさは少ないのだった。

2ヶ月にいっぺんの税理士さんとの打ち合わせをし、そのまま小学館へ。

7階でキャビンカンパニーさんの絵本のテスト校を見て、3階で最近の悩みの種でもあったSFの1巻函の用紙テストを見る。

斤量を下げたことで色ムラがおさまり、うまくいきそうな気配。

SF2巻の本文色校も見て、帰宅。

頂き物の塩鮭が「激辛」と書いてあったとおり、塩がガツンと効いており、ひさしぶりに「塩引き」という呼び名を思い出す。

5/11

いつもとちがうスーパーに行ってみて、ちいさくわくわく。

5/12

俳優さんの本を担当しており(まだ何も書けない)、その俳優さんと映画監督さんたちの撮影立ち合い。その後対談も横で聞かせていただくという役得。

5/13

ほやがどうしても食べたい気持ちにあらがえず、小平の角上魚類ふたたび。

ほや2つ、真サバなど買って帰る。

帰り道、とりおきしてもらっていたスカートをとりにボリス雑貨店へ。

小雨の一日。

5/14

宿題が如何ともしがたく、こつこつと働く一日……。

昨日の真サバを味噌煮にしてみたら美味しかった。

5/15

日帰りで大阪。

エルメスのPetit hの展示を観に行く。

東京ではやらないというので、どうしても行かねばと。

手仕事と、それを楽しむ気持ち、みたいなものがあふれでていて、いい気持ちに。

Petit hはコンセプトそのものがもうかわいすぎる。

朝、ベランダの植木鉢をみたら、朝顔の双葉がでていた。