ごあいさつ
はじめまして。
わたしはふだん本のデザインの仕事をしています。
日記を書いてみたらとすすめられたので、書いてみますが、
たぶんあまり得ることのない日記です。
コアラの絵はヒグチユウコさんが描いてくれたわたしです。
なので、コアラ日記というタイトルにしました。
どうぞよろしくお願いいたします。
5月の日記(前半)
5/1
益子の陶器市へ。
山野辺彩さんが久しぶりに出すというので、(正当な手順で)予約したのだった。
ひとりで運転していくと、益子は意外と遠く、やっと着いた!と思ったら、陶器市を甘く見ていたことが、すぐわかる。
メインストリート長い! 駐車場が本当にない! いっぱいあるのに満車!
ぐるぐるとまわって、遠くに停める。
よろよろと、ここは道なの?という道をGoogleMapに従って山野辺さんの会場へ。
ひさしぶりの山野辺さん、会えてすごくうれしい。
お仕事もしたことがあるのですが(2014年河出書房新社刊行の村岡花子のエッセイシリーズ)、なんとなく、大学の同級生のような距離感(勝手に)。
棒のアイスをいただいて、ペロペロしながら最近好きな漫画を話したり。
器をいくつか購入して、もう一箇所、行きたいお店へ。
目的は伊藤丈浩さんのスリップウェア。
店員さんから御本人に紹介され(箒で掃除していた方とは!)、挙動不審にご挨拶をする。
帰りの運転で携帯電話の充電がなくなりそうになり、音楽もかけられず、自分で歌うことにする。
歌詞がスルスルとでてくるのは、すべて懐メロ。
大ファンだったわけでもない歌手の歌を、若さの力か、どんどん歌える。
5/2
ブロンズ新社にて、『ぼくのサビンカ』(出久根育 著)色校、その後、小学館へ。SF短編の全巻分の箔のテスト。
いる間にちょうど1巻の函の刷り上がり見本が届き、あまりのひどさに愕然となるが、もう深い夕方。
明日からは連休。対処のしようもない。歯噛みをしながら連休明けを待つことに。
5/3
角パ決行の日。
角パとは、角上魚類で魚をたくさん買って食べようパーティの略。
チュンコ先生、100%ORANGEさんと、いざ小平の角上魚類へ。
人が集まれば、お頭付きのお刺身セットだって買える!というわけで、皆が欲望のまま魚を購入。
わたしはほやを迷わず購入。
お刺身をしこたま食べ、ほやも食べ、チュンコ先生にアジフライもしてもらって、魚200%の一日。
5/4
マッサージへ行き、重い腰をあげて片付け。
5/5
風が気持ちよくて
ひたすらベランダを見ていた、ら
一日がほぼ終わっていた。
5/6
無印良品で買い物をしていたら、穂村弘さんから連絡が来て、Librairie 6で宇野亜喜良さんの展示初日で、宇野さんもいるよ、とのこと。
そのまま向かい、宇野さんにもご挨拶。
穂村さんの短歌を作品にしたものもあった。
5/7
朝見た夢。
4畳くらいの大きな机のいろんな端で、ヒグチユウコさんがいろんな絵を描いているのを見ていたら、あれ、ここ、アトリエじゃないな?と気づいて、見渡したら、『ほんやのねこ』にでてくる、ねこのおねえさんの店だった。
起きて、ふとんのなかからユウコさんにラインで伝える。
やりのこしていた衣替えなど。
真空パックに初挑戦。来冬、わたしのセーターたちはどうなっているのだろうか。
5/8
NHK山形の方と初めての打ち合わせ。
ナナロク社・村井さんと『踊れ始祖鳥』打ち合わせ。
和田ラヂヲさんからいただいたすばらしい絵をどう使うかの相談。
村井さんと打ち合わせすると、装丁そのものというより、本ぜんたいがカチッとはまっていく感じが楽しい。
2日に発覚したトラブルの件で、急遽小学館へ。
1巻の函で苦戦しているのに、きれいにでてきた2巻の色校……。
色校ではきれいだったのに、本番では良くなかったというのは、函に合紙しているOKカイゼルのロット差による地合いムラが原因ということで、地合いのムラが少ないであろう、一段階薄いものに変更を提案。
打ち合わせにひさしぶりの制作の池P(小学館・池田さん)も参加でうれしい。
5/9
昨日はすずしかったが今日はあたたかそう。
毎朝起きるとベランダに水をやり、同じくベランダにいるメダカたちに朝ごはんを出すのだが、最近植物がちょっと元気になってきた気がする。グイグイと育っている。
はじめましての太田出版・藤澤さんと打ち合わせ。
木下龍也さんと鈴木晴香さんの共著の歌集。
面白いけれど、どう見せていくか思案のしどころ。
ユウコさんのMOE不定期連載「日々の綿」入稿。
オリーブオイルがなくなって、ちょっといいスーパーへ。
ずらりと20種類くらい並んでいるが、説明を読んでいるうちによくわからなくなってくる。
青くささレベルで表示してほしい。
魚に合うとか肉に合うとか、ワインならなんとなく理解できるが、オリーブオイルで言われてもよくわからない……。
5/10
法務局へ行くも書類不備でまた行くことに。
役所的なところはどうしても面倒くさい気持ちはあるけれど、中学に入学する時に、手続きのために住民票を取りにいくなど、母にひとりで行かされていたので、まあ、こわさは少ないのだった。
2ヶ月にいっぺんの税理士さんとの打ち合わせをし、そのまま小学館へ。
7階でキャビンカンパニーさんの絵本のテスト校を見て、3階で最近の悩みの種でもあったSFの1巻函の用紙テストを見る。
斤量を下げたことで色ムラがおさまり、うまくいきそうな気配。
SF2巻の本文色校も見て、帰宅。
頂き物の塩鮭が「激辛」と書いてあったとおり、塩がガツンと効いており、ひさしぶりに「塩引き」という呼び名を思い出す。
5/11
いつもとちがうスーパーに行ってみて、ちいさくわくわく。
5/12
俳優さんの本を担当しており(まだ何も書けない)、その俳優さんと映画監督さんたちの撮影立ち合い。その後対談も横で聞かせていただくという役得。
5/13
ほやがどうしても食べたい気持ちにあらがえず、小平の角上魚類ふたたび。
ほや2つ、真サバなど買って帰る。
帰り道、とりおきしてもらっていたスカートをとりにボリス雑貨店へ。
小雨の一日。
5/14
宿題が如何ともしがたく、こつこつと働く一日……。
昨日の真サバを味噌煮にしてみたら美味しかった。
5/15
日帰りで大阪。
エルメスのPetit hの展示を観に行く。
東京ではやらないというので、どうしても行かねばと。
手仕事と、それを楽しむ気持ち、みたいなものがあふれでていて、いい気持ちに。
Petit hはコンセプトそのものがもうかわいすぎる。
朝、ベランダの植木鉢をみたら、朝顔の双葉がでていた。
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第1回2月の日記(前半)
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第2回2月の日記(後半)
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第41回10月の日記(前半)
ブックデザイナー。1976年生まれ。武蔵野美術大学卒業後、広告代理店勤務を経て、2005年独立。ブックデザインを中心に紙まわりの仕事を手がける。第45回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。2022年BEST BOOK DESIGN FROM ALL OVER THE WORLDにてBronze Medal受賞。