コアラ日記

もくじ
この連載について

ごあいさつ

はじめまして。
わたしはふだん本のデザインの仕事をしています。
日記を書いてみたらとすすめられたので、書いてみますが、
たぶんあまり得ることのない日記です。
コアラの絵はヒグチユウコさんが描いてくれたわたしです。
なので、コアラ日記というタイトルにしました。
どうぞよろしくお願いいたします。

第40回

9月の日記(後半)

2024年12月31日掲載

9/15

昨日、イルフ童画館に寄る時間がなかったので、開館と同時に入館。

武井武雄自体の展示もいつも楽しいけれど、ちょうど堀内誠一展がやっていて、うれしかった。

絵本の原画のよさも、ふむふむと思いつつ、細かく描かれた地図のようなものもとても良くて、寄藤さんのことを思った。

駅でさくらんぼが売っていて、心惹かれたものの、特に買わずに帰宅。

9/16

三浦しをんさん『緑の鳥』の本文。

三浦さん独自のこだわりを事前に伺っていて、なるほどと思う。

9/17

『ハリー・ポッター 魔法の呪文集』修正。

ヨシタケシンスケさん『ちょっぴりながもちするそうです』クリスマスカバー&オビ入稿。

ヨシタケさんの本は、各出版社の本がクリスマス仕様になるのがすごい。

浅井音楽さんエッセイの本文作成。

ジムへ。

夕方、また不意にナナロク社・村井さんと打ち合わせ。

9/18

北澤平祐さん『ユニコーン・レターストーリー』本文作業。

これは大作だ…北澤さんの労力に気が遠くなる。

早見和真さん『問題。』カバーと帯ラフ。

『はじめての近現代短歌史』ラフ。

矢部太郎さんの『光る君絵』本の打ち合わせ。

夕方八紘美術さんへ『喫茶店の水』の色校を見に。

明後日から八戸ブックセンターの展示がスタートだというのに、あまりにやっておらず、水戸部さんに追い越されながら、いろいろ八戸へ宅急便を送る。

9/19

『はじめての近現代短歌史』入稿。

夜、穂村弘さん、左右社・筒井さんと打ち上げご飯。

9/20

かこさとしさんの化学の絵本作業、

『私たちのテラスで、終わりを迎えようとする世界に乾杯』(チョン・セラン著、すんみ訳)表1のみ作成。権利者確認のため。

Kigimuraさんに描いてもらった乾杯する手たちがとてもいい。

八戸ブックセンターさんが設営の様子を逐一送ってくれる。

重実さんの設営はすばらしい状態で終わっており、わたしが最後とのこと…。

9/21

八戸ブックセンターにて、「ブックデザインの仕様書展」スタート。

水戸部功さん、重実生哉さんと一緒の展示。

朝、飛行機に乗り、高松へ。

四国学院大学で行われるマームとジプシー「Chair/IL POSTO」を観に行った。

到着してから時間が余り、合流した筑摩書房・山本さんとぷらぷら。

喫茶店が本当になく、せっかくだからと善通寺へ行ってみる。

山本さんはへんなシェイクを飲んでいた。

うどんがとてもおいしい。演劇もよかった。

夜は出演者のイタリア人の俳優さんたちとマームたちと楽しいご飯。

9/22

ざんねんながらどしゃぶり。歩くのは無理なほどの雨。

タクシーに乗り、行ってみたいうどんやさんへ向かってもらったが、長蛇の列で、タクシー運転手おすすめのうどんに入った。

運転手さんは…コシのないやわらかうどん派で、ちょっと違ったなという気持ちをもちつつ、それぞれがそれぞれの方法で帰路へ。

9/23

夜、茂木さんとともに、eleven2ndさんへ。

9/24

井戸川射子さん『無形』本文作業、荒井良二さん『空はみんなのもの』入稿。

夕方、いつもお願いしている古本屋さんに来てもらう。

9/25

ものすごい悪夢にうなされ、集団人質のひとりになったり、大変だったのだが、最近履けなくなっていたスカートが履けていて、やった!とそこはいい夢だった。

起きて履いてみたけれど、夢は夢だった。

水野しずさん『抜け出しても抜け出しても変なパーティ』本文作業。

『編むことは力』(ロレッタ・ナポリオーニ著、佐久間裕美子訳)ラフ。

下田昌克さんと打ち合わせ。

9/26

greenseedbooksさんと打ち合わせ。

井戸川射子さん『無形』ラフ。

豊﨑由美さん『どうかしてました』ラフ。

美容院にさっと行って、夕方八紘美術さんへ『喫茶店の水』色校。

とても良くなっていて、とても気分がいい。

9/27

PR誌「ちくま」入稿。市川春子さんの連載がすごすぎる。

PLAY! MUSEUMで行われる堀内誠一さんの展示にコメントを提出。

イヴ・バビッツの自伝『ブラックスワンズ』(山崎まどか訳)本文作業。

石井ゆかりさんの『星占い的時間』の装画をお願いしたい方の展示がちょうど日本で行われており、ちょうど本人もコペンハーゲンからいらしているとのことで、講談社・斎藤さんとお会いしにいく。

お引き受けいただいてよかった。Adrianさんとてもいい人だった。

夕方からTISの懇親会。今年の審査員のアルビレオさんたちはじめ、イラストレーターさんたちに大勢お会いした。

9/28

夕方、Kさんを誘って、渋谷WWWにて、イ・ランさんのライブへ。

9/29

午後、パレットクラブで先生。

夜、Kちゃんとチュンコ先生のお家へご飯を食べに。

9/30

『ハリー・ポッター 魔法の呪文集』入稿。

『天才バカボンの幸福とは今日もおひさまが昇ること』新装版そとまわりラフ。

来年行われるビアズリー展の図録本文ラフ。

レオ・レオーニ展グッズラフ。

『抜け出しても抜け出しても変なパーティ』カバーラフ。

横山裕一さんの絵をお借りできてとてもうれしい。

小学館・橘高さんと神津はづきさん本の打ち合わせ。

神保町の出版クラブにて、造本装丁コンクール授賞式。

最近の名久井さん

12月が早くてもう追いつきません。

もくじ
著者プロフィール
名久井直子

ブックデザイナー。1976年生まれ。武蔵野美術大学卒業後、広告代理店勤務を経て、2005年独立。ブックデザインを中心に紙まわりの仕事を手がける。第45回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。2022年BEST BOOK DESIGN FROM ALL OVER THE WORLDにてBronze Medal受賞。