コアラ日記

もくじ
この連載について

ごあいさつ

はじめまして。
わたしはふだん本のデザインの仕事をしています。
日記を書いてみたらとすすめられたので、書いてみますが、
たぶんあまり得ることのない日記です。
コアラの絵はヒグチユウコさんが描いてくれたわたしです。
なので、コアラ日記というタイトルにしました。
どうぞよろしくお願いいたします。

第47回

1月の日記(前半)

2025年4月15日掲載

1/1

ゆっくりおきてお雑煮を食べる。

昨日伊勢丹で買った黒豆が美味しい。

買っていたけれど放置していたキッチンワゴンを組み立て、届いたばかりの真空パックの機械で餅を真空にしまくった。

100%ORANGEまゆこさんがおすすめしてくるだけあって、真空はいいものだった。

いいものだったので、Kちゃんにもすすめてみた。

1/2

一歩も家を出ず、かたづけなどゆるゆると。

1/3

今年初ジム。

ずっとお世話になっていたトレーナーさんがいなくなったので、新しい方と。

村田沙耶香さん『世界99』のいろいろ戻し。

谷川俊太郎さん編『祝婚歌』作業。

1/4

水鈴社・篠原さんと打ち合わせご飯。

1/5

木下龍也さん『すごい短歌部』の特典シールを作る。

ホログラムでキラッキラになる予定。

1/6

世間が始まったという感じの今年初めての月曜日。

お昼までに戻すものが多い…。

「ちくま」の色校、文月さん詩集ラフ、『春のこわいもの』(川上未映子著)文庫ラフなど。

左右社へ行き、筒井さんと『ブラックスワンズ』色校。

新年のボリス雑貨店をちらと覗きに行った。

セブンイレブンへ寄ったら、お弁当コーナーがあまりになにもなかったので写真を撮る。

1/7

イーユン・リーさんの『水曜日生まれの子』ラフ。

梨木香歩さん『ヤービと氷獣』本文作業。

岡本真帆さん『落雷と祝福』本文作業。

ヒグチユウコさんのMOE連載「日々の綿」ラフ。

午前中、福音館書店へ行き、岡田さんと打ち合わせ。

午後、マガジンハウスにて、「&Premium」の記事用に堀内誠一さんのことを少し話す。

お会いしたこともないわたしが話すなんておこがましいと思いつつ、堀内さんの担当されていた書籍をバトンタッチしたものがあるので、そのあたりの話。

マガジンハウスに行ったので、近所の水戸部さんの事務所に寄ってみようと連絡したら不在だった…。

NHK エデュケーショナルの倉森さんや、minä perhonen・長江青さんたちとご飯。

青ちゃんはムサビの同級生で、彼女の卒業制作に心を奪われてからの付き合いなのだが、それにまつわるとてもいいものをいただいた…。

1/8

しらとあきこさん『なんで なんで?』表紙のラフ。

斉藤倫さん・うきまるさん著、嶽まいこさん絵の『ペンギンのトビオ』作業。

夕方、コンドウアキさんと落ち合って「生活のたのしみ展」プレビューへ。

散財。とても散財。パン(コンドウさん)のデザインしたトリドリの着ぐるみがいて、短い手足で活躍していた。

1/9

佐内正史さんと美松堂さんにて色校。

夕方ナナロク社・村井さんと打ち合わせ。

1/10

「ちいさなかがくのとも」冊子作業。

森見登美彦訳『竹取物語』入稿。絵は早川世詩男さんに描いていただいた。

イーユン・リー入稿。

印刷博物館へ行き、写植の展示「写真植字の百年」に滑り込み。

学生の頃、勝井先生に言われて、課題のパネルの文字を小野工房さんに頼みにいったときに触らせてもらった写植機があり、なつかしい気持ちに。

写植時代を切り開いたおふたりの歴史は、「まんが道」にでもなりそうだなと思って見ていたら、もう雪朱里さんが連載していた(漫画ではないけど)。

小学館へ行き、今本さんと打ち合わせ。

1/11

なんの記録も写真もない土曜日。

1/12

板橋区立美術館へ。レオ・レオーニの展示最終日。

プレビューの時に滑り込みすぎであまり見られなかったので、じっくりと。

館長さん(行列を整理されていた!)ともお話しできてよかった。

館長さんとこの仕事でお会いできたことは、本当に大きかった…。

1/13

藤本玲未さん『テリーヌの夢』本文作業。

ちらとボリス雑貨店へ。

おみくじをひいたらムスタくんだった。

自分で文章を書いたおみくじだが、ひくと嬉しいものだ。

1/14

ジムへ行き、念願のトレーナーさん初回。

福音館書店へ行き、『ヤービと氷獣』色校。

カイズケンさん『おこじょへのてがみ』ラフ。

ヒグチユウコさんのクリアファイルの色校戻し。

渋谷パルコで行われている福田利之さんの展示へ。

在廊されていた福田さんにも久しぶりにご挨拶。

お茶を飲みながらおしゃべりなどしてまったり。

1/15

『モナのまなざし』(トマ・シュレセール著・清水玲奈訳)ラフ。

マガジンハウスから刊行されるピアノの本の本文作業。

井上涼さん『びじゅつでござる』ラフ。

午前中、青葉市子さんと講談社大西さんとzoom打ち合わせ。

市子ちゃん久しぶり!

ずーっと前に市子ちゃんにもらった干し柿がとても美味しかったと何年か越しに伝えられた。

最近の名久井さん

筍を掘ったりしていますが

仕事もしています!

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著者プロフィール
名久井直子

ブックデザイナー。1976年生まれ。武蔵野美術大学卒業後、広告代理店勤務を経て、2005年独立。ブックデザインを中心に紙まわりの仕事を手がける。第45回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。2022年BEST BOOK DESIGN FROM ALL OVER THE WORLDにてBronze Medal受賞。