コアラ日記

この連載について

ごあいさつ

はじめまして。
わたしはふだん本のデザインの仕事をしています。
日記を書いてみたらとすすめられたので、書いてみますが、
たぶんあまり得ることのない日記です。
コアラの絵はヒグチユウコさんが描いてくれたわたしです。
なので、コアラ日記というタイトルにしました。
どうぞよろしくお願いいたします。

第39回

9月の日記(前半)

2024年12月15日掲載

9/1

9月に入ったらいきなり睡蓮の花がシュン…と小さくなって、

秋がまだぜんぜん見えないし感じられないが、どこかにはあるのだなと思う。

9/2

なんの記憶も記録もない日。

9/3

講談社・見田さんと打ち合わせ(石沢麻衣さん『かりそめの星めぐり』)がたのしくてたのしかった。

話しまくってしまった。

今朝、キウイブラザーズの新しいキャンペーン、麦わら帽子フィギュア入りのキウイをゲットした人から連絡がきて、だめもとで、全ての打ち合わせが終わった夜に、わたしの穴場スーパーに車で向かった。

あった! あったよ!

9/4

打ち合わせに自転車でいき、帰りは、いつもボリス雑貨店に行くときに使っている細い坂道をスイ~と降りながら、「この道は知り合いは誰もしらないだろうな」と思っていたそのときに、トリッペンのNさんにばったり出会ってしまった。

脳内を読んだ神様の采配か。

Nさんと会うといつもきらきらと太陽のようなものが見える。

(わたしはオーラは見えないので比喩です)

夕方ひさしぶりにミシマ社の三島さんと星野さんと打ち合わせ。

先日買った『中学生から知りたいパレスチナのこと』がまだ読めていないけれど、本屋さんで買いました。

とお伝えしたら熱く語ってくださり、早く読みたい気持ちに。

三島さんがものすごく黒いような気がして、最初、逆光のせいかと思ったけど、そこはいつものカフェで、三島さんそのものの色だった。夏休みの話をふればよかった。

レオーニ展のチケットやチラシなど入稿。

夜に犬ん子さんから届いた絵がすばらしく、早く本にしたい!でも絵になにも入れたくない!と、いい絵がきたときのジレンマが発動。

ちなみに豊崎由美さんのエッセイ『どうかしてました』の装画。

9/5

晶文社・安藤さん、伊藤亜和さんとエッセイ本の打ち合わせ。

左右社へ行き、筒井さんと打ち合わせ。

学研へ行き、木村さんと、酒井駒子さんの『ゆきがやんだら』新装版打ち合わせ。

原画も見せていただいて、眼福。

自分が担当してなかった本の新装版の仕事は、本を先に見ていて、そのあと原画を見ることになるので、先に原画を見てはじまる絵本とはまた違った趣きがある。

青幻舎さんと打ち合わせ。

ものすごい快晴。

9/6

左右社へ行き、塙さんと打ち合わせ。

夜、フジモトマサルさんのお別れ会の時の実行メンバーと、久しぶりに会合。

姪っ子さんが結婚されたので、そのお祝い。

もはや親戚のおじさんおばさんたちだ。

9/7

キディランドヘ行き、今日からPOP-UPショップスタートの「塊魂」のグッズを見に行った。

ものすごく物色。

そしてちいかわの行列のすごさよ!

マームとジプシーへ映像用文字を送る。

9/8

マームとジプシー「Chair/IL POSTO」ゲネへ。

イタリアで現地のひとたちと作ってきた関係性が形になっていて、とてもいい。

9/9

『書くなる我ら』(北駒生著)ラフ。

『ちいさな花 咲いた』(野中柊著、くらはしれい絵)入稿。

三菱一号館美術館さんたちと打ち合わせ。

夕方小学館へ。『藤子・F・不二雄がいた風景』打ち合わせ。

9/10

原田ひ香さん『あさ酒』ラフ。『ランチ酒』の姉妹編みたいなものなので、agoeraさんに続けて絵をお願いした。とてもおいしそう。

後藤正文さんと藤原辰史さんの『青い星、此処で僕らは何をしようか』本文フォーマット。

根本宗子さん『今、出来る、精一杯。』文庫のラフ。

PLAY! MUSEUMさんと打ち合わせ。

その後、100%ORANGEさんと絵本にまつわる打ち合わせ。

及川さんはマティスTシャツを着ていた。

9/11

水鈴社・篠原さんと打ち合わせ。

NHKエデュケーショナル・倉森さんとご飯。

9/12

かこさとしさん化学のえほん、2巻の作業。

2巻は、元素がテーマで…周期表もしらない元素がたくさんふえているし、とにかく、大変な作業量だった…。もう無理かと思った。

木下龍也さん『すごい短歌部(まだこのころはタイトルなし)』の本文。

朝日新聞社・田中さん、竹部さんとレオーニ展グッズ打ち合わせ。

松岡茉優さんの舞台「ワタシタチはモノガタリ」を観に渋谷パルコ。

江口のりこさんと対をなす役柄が面白かった。

松岡さんは『ほんまつ』でお世話になって以来のおつきあいだが、本当にやさしく、気配りの塊のような方。

9/13

石沢麻衣さん『かりそめの星巡り』本文。

青幻舎さんとレオーニ展図録打ち合わせ+本文ラフ。

夕方、ボリス雑貨店へ行き、そのままヒグチユウコさんと東京国際フォーラムへ。

ピナ・バウシュ「春の祭典」他の来日公演を観た。

18年ぶりの日本上演と書いてあり、慄く。もうそんなに経ったのか…!

9/14

穂村さん一家が(猫も含め)遊びにきた。

9/15

武井武雄生誕130年記念シンポジウムに参加のため、岡谷へ。

お昼は名物のうなぎ(やなのうなぎ観光荘)をご馳走になった。

蒸していなくて、焼いているうなぎ。

市役所の方に、岡谷市役所がゴジラにやられたときのポスターを見せていただいた。

絵になるすてきな建物だった。

それぞれの方の発表が楽しかったが、時間がおしてイルフ童画館の方の研究発表がなくなってしまい、残念だった。

夜は出席者のみなさまと会食。

最近の名久井さん

去年の12月は水戸部さんと図録を作っていたはず…。

一年が早すぎです。

著者プロフィール
名久井直子

ブックデザイナー。1976年生まれ。武蔵野美術大学卒業後、広告代理店勤務を経て、2005年独立。ブックデザインを中心に紙まわりの仕事を手がける。第45回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。2022年BEST BOOK DESIGN FROM ALL OVER THE WORLDにてBronze Medal受賞。