コアラ日記

もくじ
この連載について

ごあいさつ

はじめまして。
わたしはふだん本のデザインの仕事をしています。
日記を書いてみたらとすすめられたので、書いてみますが、
たぶんあまり得ることのない日記です。
コアラの絵はヒグチユウコさんが描いてくれたわたしです。
なので、コアラ日記というタイトルにしました。
どうぞよろしくお願いいたします。

第56回

5月の日記(後半)

2025年8月31日掲載

5/16

佐久間裕美子さんの本の本文作業。

永井玲衣さん『さみしくてごめん』ラフ。

ずっと家。

5/17

チュンコ先生とTKと函館へ。

函館へ着くなり「大勝軒」へ連れて行かれた。

永福町のも行ったことがないのに、いきなりの支店!

この3人での旅の場合、TKがツアーコンダクターなので、わたしもチュンコ先生も運ばれるがままなのだ。

霧の深い事件が起きそうなところへ行ったり、同じく霧で何も見えない函館山に行ったり、つつじ公園に行ったり、六花亭に行ったり、お寿司を食べたり。

函館にはイカの形のポストがあった。

5/18

お寿司屋さんおすすめのラーメン屋さん「りんさん」に行ったら、とてもよかった。美味しかった!

五稜郭ならぬ四稜郭(だいぶプチ)を見て、15時には東京に戻り働く。

5/19

くどうれいんさんと柴田ケイコさん『まきさんのソフトクリーム』ラフ。

KADOKAWA・山崎さんと京谷さんと打ち合わせ。

ミシマ社・三島さんと打ち合わせ。

夜、水鈴社・篠原さんとご飯。

5/20

穂村さんを通っている鍼に連れて行った。

ホットドッグを食べて休んでから、帰りに一緒に尾崎テオドラ邸で開催中の「萩岩睦美展」へ。

明日誕生日なので、プレゼントを渡した。

夜はB&Bにて、鈴木成一さんと大島依提亜さんと大久保明子さんという豪華トークを拝聴に。

5/21

朝からコスモテックさんで台湾の方たちから取材を受けた。

谷川俊太郎さんにまつわる展示を冬に開催するそう。

ちょうど『あたしとあなた』の増刷でもあったので、箔をおしているところを撮影してもらった。

絵本の撮影が迫っており、着々といろいろ揃えてきたが、まだピンとくるお皿がなく、探しに行った。

すぐ見つかった。

加藤千恵さん文庫ラフ。

『ピアノが弾けるようになる本』(ジェイムズ・ローズ著/稲垣えみ子訳)入稿。

永井玲衣さん『さみしくてごめん』入稿。

川内有緒さん『エレベーターのボタンを全部押さないでください』入稿。

5/22

ジムへ行き、午後はとある本の打ち合わせ。

5/23

松岡茉優さんのファンクラブ(の開設を紹介する)イベントへ。

松岡さんは、前に本を作っていた時も感じていたけれど、サービス精神とやさしさと気遣いの人で、イベントも盛りだくさんで、ファンの方々もあたたかですばらしかった。

田安門(グラフィック社の近く)の交差点で車で信号待ちをしていたら、びわがぎっしり実っている木があったので、チュンコ先生に写真を送った。

夜はNHKエデュケーショナル・倉森さんのお誕生日パーティへ。

お花を買っていこうと思い、近所のお店に行ったが「これは合わないタイプの店員さんだ」と思い、早口で全部選んだ。

かわいい花束になってご満悦(わたしが)。

いつも仕事をしている机から見えるベランダにカラスが来ていて、気づかれないようにずっと見ていた。

テレビよりずっといい。

5/24

吉祥寺のコピスへいき、心を潤わせた。

昨日の人かわからないけれど、カラスが来ていて、うちのベランダのメダカの水鉢から水を飲んでいた。

水だけならいいよ?

5/25

朝から井上佐由紀さんと共著の絵本撮影。

卵焼きやらジュースやらクッキーやら、いろいろどんどん撮影した。

手を撮らせていただく子どもさんも来ていて、ちょうど積み木もあったので、遊んでいただいた。

5/26

福音館書店・北森さんと打ち合わせ。

5/27

PR誌「ちくま」入稿。

『まきさんのソフトクリーム』入稿。

5/28

代官山ヒルサイドフォーラムで今日からスタートの皆川明さんの個展「羽花」を見に行く。

長江青ちゃんや、友人たちに会えて楽しい。

作品も素敵で、IDEMで刷られたものを一つ購入することに。

小学館・村松さんと、ながしまひろみさんと打ち合わせ。

夜、超ひさびさに友人とご飯。

待ち合わせに早く着いてしまい、待っている間にギャラリーを見つけ、窓からとても好きな置物を見つけた。閉まっていて残念。

5/29

minä perhonenのお店に行ったら、昨日に引き続いて青ちゃんとばったり会えた。

青ちゃんのパートナーはアーティストの小金沢健人さんなのだけれど、ドイツに住むときに面接で、ずっと小金沢さんは無言で、最後にドイツ語で一言「すべての猫は夜黒い」というような諺を言ったらしい。

話せる雰囲気を出すのが上手いのよ、という話を聞いてすごくうれしくなった。

夕方、集英社・野呂さんと打ち合わせ。

5/30

村上きわみさん『とてもしずかな心臓ふたつ』入稿。

大どろぼう展にちなんだ3冊を入稿!

あるパーティで、今日も青ちゃんにあった!

青ちゃん3daysは初めてかもしれない!

パーティはとてもおしゃれで、食べられるものと食べられないものの見極めが難しかった。

(全部食べられました)

5/31

虎ノ門ヒルズに行ってみた。

なんかこー、わたし向けではないんだなということをひしひしと感じて帰宅。

最近の名久井さん

夏の暑さが翳ってきたら「あのワンピースまだ着てない」とか

「今年も浴衣が着られなかった」とか

さみしくなってきました。

もくじ
著者プロフィール
名久井直子

ブックデザイナー。1976年生まれ。武蔵野美術大学卒業後、広告代理店勤務を経て、2005年独立。ブックデザインを中心に紙まわりの仕事を手がける。第45回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。2022年BEST BOOK DESIGN FROM ALL OVER THE WORLDにてBronze Medal受賞。